金融政策の仕組みPart1 ~銀行の役割~

2022年6月12日

はじめに

株式投資をする上で、金融政策への理解は必須といっても過言ではありません。
しかし、金融政策は難解で初心者の方には難しい点が多くあると思います(私も昔そうでした…)。

そこで、全くの素人でも金融政策について理解できるよう、数Partに分けて解説していこうと思います。
私は金融政策を知る前に、

銀行の仕組み
バランスシートの仕組み

の2点を理解する必要があると考えますので、まずは銀行から解説していこうと思います。

銀行はどうやって利益を得ている?

皆さんは銀行をどのように活用していますか?
会社からの給与振り込み、クレジットカード引き落としなどなど様々な活用方法があると思います。
しかし、まずは銀行にお金を預けなければ何も始まりません。それが給料の振り込みなのか、自分でお金を預けるのか、方法は色々あります。
さて、銀行はこのようにして預かったお金をず~っと大切に保管していると思いますか?

答えはNOです。なぜなら、銀行は皆さんに金利(ここでは預金金利と言います)を支払わなければなりません。
したがって、お金を預かって金利を支払い続けるだけではいずれ銀行は倒産してしまいます。

ではどうするか?
銀行は、他の人に貸し出したり、債券・株式を購入したりして利益を得ています。

住宅ローンとか学費ローンとか様々な形でお金を貸し出す(貸し付ける)ことで、預金金利を上回る収入(貸付金利)を得ようとします。

皆さんも銀行からお金を借りようと思ったとき、
「ローンの金利高ッ!自分が預けたってこれっぽっちしか貰えないのに…」
って思ったことありませんか?
この金利差が銀行利益の一部となるわけです。

銀行がお金を作り出す?

さて、突然ですがここで問題です。
Aさんは銀行に100万円預けました。そしてBさんは銀行から50万円借りました。銀行には今50万円残っています。
この世界にはいくらお金があるでしょうか?

正解は150万円です。いや、100万円しか預けてないやん!っていう声が聞こえてきます。
でもAさんの通帳には預金100万円と確実に記載されますし、Bさんの手元には50万円が確実にあるわけです。

上の例は極端ですが、実際世の中の銀行がやっていることは同じです。
預金の一部を誰かに貸し出しているので、
例えば、預金者全員が預金を全額引き出そうとしたら銀行は終わりです。

でも、仮にあなたが100億円持っていたとして、銀行に預けていてもすぐに全額引き出そうとは思いませんよね?
銀行側もそれを理解しているので、「これくらいなら貸し出しても大丈夫だろう」と考えて他の人に貸すわけです。

何が言いたいかというと、上の例では最初にあった100万円が150万円になっている通り、
銀行は預金を貸し付けることで「お金を作り出すことができる」ということです。
これを専門用語で言うと信用創造です(英語で言うとMoney Creationです)。
この考え方は金融政策の理解にとても重要です。

次回に続きます。
Part2はコチラから

経済解説

Posted by muta